この記事を読んだのは先月の終わりごろでした。
その後、羽生選手が出場するスケートカナダに、日本からの医師が派遣されるかどうかは、決定されたのでしょうか。
昨年、中国杯の羽生選手は予期せぬ事故で怪我をしたのですが、その後の全日本でも、フリーでは棄権を考えるほど体調がよくなかったと聞きました。
1995年・全日本選手権の井上怜奈さんの動画です。
高熱のために、あまりにお気の毒な演技です。
4分ごろ、フィニッシュで立っていることができず崩れるのを、次の滑走者・八木沼純子さんが助けようとし、続いて無良コーチが抱えておられます。
そして4分30秒あたりには、担架がやってきます。
担架。
2014年・中国杯で、倒れている二人の選手に差し向けられることのなかった担架です。
あの時、たとえ選手が自力で歩けたとしても、すぐに救出に行って担送してほしかった、と思います。
その時点では、二人の選手がどういう状態にあるのか、まだわからなかったはずだから。
井上怜奈さんの場合は、体調が悪い事は周囲の方もわかっていて、それですぐに担架で運ばれたのかもしれません。
解説の小川さんが「かわいそうでしたねえ。でも、試合は待ってくれませんからねえ。厳しいところですね」と、しみ入るように言っておられます。
全日本の羽生選手も、もしかしたら、演技中に具合が悪くなることもあり得たかも、しれません。
井上さんは、度重なる病気や怪我にもひるむことなく、シングルであるいはペアで、競技人生を続けてこられました。
彼女もオリンピックに魅入られた一人であったのかもしれません。
並々ではない熱意と不屈の精神には、羽生選手を思い出させるところがあります。
スケートに人生をかけている選手であれば、それは、なんとしてもどうしても、試合に出たいでしょう。
その長い努力を支え一緒に歩んでこられたコーチや周囲の方々も、気持ちの底の底では選手と同じなのだろうと思います。
責任をもって迅速に、何かを決断できるとしたら、権威ある医師の診断しかないのでは、と思います。
あくまでも素人考えですのでご容赦ください。
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