休むという選択

怪我の事を書くのはもうやめようと思っていたのですが、「SPUR」の宇都宮さんの記事を読んだので、少し書いてみようと思います。

「休むという選択をして、彼は彼らしくいられただろうか」

休まないのが、彼らしくいることなのでしょうか。
焦がれる心を制御しないのが、彼らしくいることなのでしょうか。

昨シーズン、怪我をしながら中国杯に出場し、その後の試合にも休むことなく出場し続けました。
手術から回復した直後、ひとりで練習していて重い捻挫をしてしまいました。
その結果、ワールドは準優勝でした。
今シーズンはその経験を生かせるものと思っていましたが、結果はやはり、準優勝でした。

闘争心のたぎるままに従って、適切に休むことを選ばないのを、なぜ賞賛するのでしょう。

もしかしたら、選手生命にかかわることになったかもしれないのに。

まして、これ以上に難度をあげ、新しい技にも挑もうかというのに。

パトリック選手が言っていました。
…いつ怪我が起こるかわからないし、いつか壁にぶちあたる。
ゆづは4本目の4回転をやるかもしれないけれど、そこまでだ。
そうしたらリスクが高くなって、その危険な報酬もますます増える…


今現在、遠いカナダで治療を受けていて、たくさんの人が待ってくれている大好きなショーに出たいと、心は焦がれていると思います。
でもちゃんと休めています。
堂々と、休むという選択をしてくれているのだなと思います。

このさき2年、たとえシーズンの途中であっても、不調への対応が遅れたら、取り返しのつかない事になりかねません。

何があっても休まない、何があってもリンクに出る彼を讃え続ける人たち。

それはいったい、何のためですか?


悲劇の彼から脱出するための「SEIMEI」だったはず。
今をターニングポイントとして、本当の意味で、その脱出をはたしてくれたならと思います。



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I'm proud …

FaOI・幕張公演で、安藤美姫さんと華原朋美さんがコラボして「I'm proud」を披露してくれたのですね。
その様子を聞いて、少し想像してみただけで、胸がいっぱいになりました。
なぜって私、「I'm proud」という曲が大好きなんです。


もちろん下手に決まってるんだけど、カラオケに行けば歌いたくなる曲。
この曲は私にはとても難しい。
半音が多くて、いきなり転調して、リズムも取りにくい。
…楽譜を見たことはないので見当違いかもしれないけれど、多分、そうなんじゃないかなあと、うまく歌えない言い訳にしたりする。

それでもどうして好きかっていうと、「…いちごのよう…」というフレーズが大好きなのだ。

この「いちご」は、一説には、もともと「りんご」だったのを、華原さんが「いちご」に直したのだと聞いたことがある。


もしも「りんご」なら、手の届かない高いところにあるそれを、せいいっぱいに伸び上がってもぎ取るだろう。
そしてぐっとつかんで、がりりと齧って、離さない。

でも「いちご」なら、足元の葉のかげにこっそり隠れているかもしれないのを、小さくしゃがみ込んで探すだろう。
ころがらないよう、壊さぬようにして、指先でそっとつまんでくちびるにあて、その冷たさを知るだろう。


「りんご」はもしかしたら、成功や名声の果実だったのかもしれない。
「りんご」を手に入れるよりも、「いちご」の甘いせつなさを選んだ華原さん。
それを一晩中思い浮かべて、眠れずに過ごした彼女の長い夜を思った。
彼女と安藤さんの、今まで、そしてこれからの人生を思った。
ウエディングドレスのような美しい衣装だったという安藤さん。

その舞台を想像しながら、二人の女性それぞれの幸せを願いました。





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FaOI・幕張公演

FaOI・幕張公演が開幕しましたね。

福間洸太朗さんが、スクリーン上の羽生選手と「バラード第一番」をコラボレーションしたそうです。

それを聞いて、なんともせつない気持ちで、胸がいっぱいになりました。

たぶん、自分がその場所にいたのなら、意表をついたサプライズに感動するだろうな。

もしも羽生選手が出演していたのなら、本当にコラボレーションする予定だったのかもしれないし。


でももし神戸で、福間さんとの「バラード第一番」だったり吉田兄弟との「Change」だったりが、スクリーン映像との共演だったとしたら。

誰もいない四角いリンクが広がっているのが、痛いように目に映るかもしれない。

"The show must go on" なんだなと実感するかもしれない。


一年に一度あるかないかの、生でスケートを観られるチャンスなのだから、生のスケートが観たいと思う。

スケーターがリンクを移動するたび、遠くなったり近くなったりするのを、一生懸命に目で追いかける楽しみ。

バトルさんの、ぴしぴしと鞭を打つように決まるダンス。

ランビエールさんの、内から外へと感情が渦を巻くようなレイバックスピン。

デュハメル選手が、2階席まで届くような高いリフトでこちらへ来たとき、脚の筋肉がぴったりと張りつめて伸びていたこと。

安藤さんが、3S+2Lo+2Loの途中から起こる大きな歓声に、笑顔になりながら着氷したこと。

そして、羽生選手の後姿。

本当に Fantasy だった。

でも、確かな現実だった。


羽生選手が治療に専念することは、当然すぎることだからかまわない。

ショーの日程に合わせて調整したり帰国したりする必要はまったくない。

でも、モニターの映像とのコラボレーションって、それはいったいどうしたらいいのだろう。

もし、これ以上のスケーター出演がないのなら、この先のショーもそんな演出が続くのかな。




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リスフラン関節靭帯と真夜中のFaOI

羽生、現在も左足じん帯加療中 カナダから帰国のメド立たず

本当に残念ですけれど、今の時点で、どうやら治療に進展はないようですね。
全治2か月と聞いてから、もうそろそろ、その2か月が来るのに。
羽生選手の心境を思うと本当に胸が痛みます。
でも、どうか、医療スタッフの診断にしたがって、たとえ時間がかかったとしても、完治するまであせらず治療を続けてほしいと思います。

素人なりに調べるほど、リスフラン関節靭帯の損傷というのは、痛みがなくなるまでに相当の時間がかかる、難しい怪我だと知りました。

早期復帰を目指したリスフラン靱帯損傷の治療方法の検討

これを読むと、受傷して早期に固定し安静にして、適切な治療に入ることが大切。
そしてむしろ手術した方が早く治る可能性があり、その場合も、数か月の治療期間が必要だという事でしょうか。

羽生選手は手術をしないで保存治療を選んだようです。
フィギュアスケートは繊細なスポーツなので、手術した場合、復帰までの期間の長さや、脚の感覚が戻るかどうかを、よく考えての選択だったのでしょう。
それでも、この半年あまり治療開始が遅れているので、2か月間で治るかどうかは難しいのかな、と思います。


真夜中の12時、FaOIのサイトが更新されて、FBに新しい発表が出ることがあります。
ここのところずっと、真夜中になるとチェックしに行っています。
もしかしたら今夜にでも、神戸や長野の欠場が発表になるかもしれません。

早く欠場を発表してほしい。
そのほうが、羽生選手も安心して治療に専念できると思います。
そして観るほうも、遠くで羽生選手の完治を願いながら、ショーを楽しむ心構えができると思います。


羽生選手には日本人の理学療法士がリハビリテーションにあたっているとも聞きました。
理学療法士さんは、会話しながら患者の表情をよく観察し、相手との呼吸をはかって、心地よく治療が進むように配慮してくれます。
関節や筋肉のメカニズムを教えてくれて、この動きにどんな意味があるのか説明し、納得させ目標を示しながら、身体と心を回復させてくれます。
そういうやり取りの中から、また羽生選手は学んでゆくのではないかな、と思います。




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神様が与えてくれた試練 その3

ボストンの街並みには風情がある…素敵な事を言いますね。
「フィギュアスケートTV」のインタビューから、少しずつ振り返ってみたいと思います。

「神様からの試練」と言っていた放送は、このインタビューの一部なのですね。
しばらくぶりに見るワールドの演技の断片は、風のようにリンクを渡っていく彼の姿が、美しくもありほろ苦くもありでした。
ハイドロの左足のポジションを最後まで保持できず、もう限界にきています。


ボストンの空港に着いたとき、
「やることはやってきたので。
自分自身、会場に入ったらもっともっと気持ちも上がってくると思うので。
それ自体も楽しみながら、またしっかり試合に集中して、自分をコントロールできたらいいなと思います」

それはまるで、この先数日間に彼の身に起こる事を予言しているかのようでした。
自分のなかに、コントロールできないなにものかがある事を自覚しているからこそ、それを制御しなければならないと、自らを戒めていたのかもしれません。

ジャンプの構成を上げる。
SPとFSの二本をそろえる。
ノーミスの、完璧な演技を。
世界最高得点の更新。
もちろん、世界王者のタイトル奪還。

さらに深刻になるかもしれない足の故障の不安をかかえながら、そういう極限を目指していたのです。
そして残念ながら、その負荷の重たさに彼は耐えきることができませんでした。


SPの練習の時の出来事を、「Number」の野口美恵さんはこう書いています。
「トロントでフェルナンデスと切磋琢磨している時には起きなかった、自己中心的な気持ちが芽生えた。
他の選手の動きが視界にちらつき、自分に集中できない。
それは苛つきへと変わり、得意のトリプルアクセルさえ転んでしまう。
思わず怒りをあらわにし、壁を叩いた。どんな状況であれ、壁を叩くのはフィギュアスケートではマナー違反である」

そして、オーサーコーチに諭され、怒ってしまった自分を省みる。
「皆が支えて下さってここまで来たのに、一瞬『自分ひとりが(努力している)』と考えてしまった。すごくひとりよがりになっていた」


それなのにどうして、故意だと思うなどとメディアの前で口にしたのか、とても残念に思っています。

試練は、彼の外側にあるのではなく、彼の内側にあるのだと思います。

だから、二人の選手が握手できたのは本当によかったと思っているし、彼らの未来に幸いあれと願っています。


「SEIMEI」の最後には「ありがとうございました」と頭を下げ、そして、素晴らしいエキシビションを舞ってくれました。
どんなに手に入れたくても届かないもののある悲しみが、まだそこに漂っているかのようでした。



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