「KENJIの部屋」第4回 「バラード第1番」

羽生結弦選手エピソード4(後編)
BGMは軽快なジャズから「バラード第一番」のピアノへと静かに移っていきます。

最初に目をつぶると「緊張するから、目ピクピクピク!ってなるんです、つぶると。で、つぶらなくて、(ジーっと)ってやってるんです」
「しかもイメトレしてるから。その時間でトウループのことずっと考えていて。こうやったら跳ぶ、こうやったら跳ぶ、ダーン!みたいな感じで」
宮本先生のアドバイスで、NHK杯以降に目をつぶるようになったのですね。。
NHK杯では

2014 NHK Yuzuru Hanyu SP

ファイナルでは

2014年G・ファイナルSP

目をつぶると感覚がわからなくなるので、練習でもつぶるようにしていた。
「そうなんです。絶対にそれはそうなると思ったので。しかも試合なんかだったら絶対に嫌なイメージしか思い浮かばないから、そういう時って。良くない時っていうのは。」
「目つぶった時に、曲が流れている時に、曲のこのタイミングでこういってこういうふうに跳んでこう降りているっていうのを完全にインプットさせました。曲が流れた瞬間にその映像しか流れないです。同じ尺で」

「曲の一個一個の音が、自分のクロスやってきて、そこからイーグル入って、チョクトー入ってトウループ跳んでっていう、その一つ一つの動作が。振り付けじゃないですけど、完璧に一緒になってます」

――こうやって目をつぶって立って、想像する。その想像が「あ、ヤバイ、しくった」ってなったら?

「そういうふうにならないように完全に練習してたので。イメトレをするための練習、みたいなことをやっていて。」
「イメトレも実は本番の一つだから、振り付けとおんなじ感覚なんですよね。この曲の時にクロスして、イーグルして、ていうのがあるので、その感覚とほぼ同じで自分の身体を動かしてないけれども、脳みそはこの時にはこう動かしているというのは、完全に一緒になるように刷り込んできました」


羽生選手が冒頭の15,6秒、目を閉じているというだけの事なのに。
羽生選手本人は、演技のイメージトレーニングに一生懸命に集中して目をつぶっている。
よいイメージトレーニングに入るための練習まで積んできている。
それを見ている方は、音楽の世界に没頭した彼が無になっていくような、深い精神性を感じてしまう。
それはアスリートの羽生選手と、アーティストの羽生選手とが、一体となっていくための十数秒だったのかもしれません。




画像は以下の動画からお借りしました。ありがとうございます。
2014 NHK杯・SP
2014 GPF・SP

*続きます
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「KENJIの部屋」第4回 理想のスケート

羽生結弦選手エピソード4(後編)
苦手なエレメンツはルッツ?本当はそんなに下手じゃないのに。
昔はジャンプが苦手だった。
ショートが苦手だと思っていた頃もあった。
「何かしら成長すると、成長できてない部分が、苦手って思っちゃう」

KENJI.jpg

もしかしたらそれは苦手というよりも、いつも向上していくための、克服すべき課題だということなのでは。
限りなく高い理想を実現するために、課題を見つけてはそれを何度も乗り越えてきたのだから。

試合の時に他の選手の演技は「めっちゃ見ます。すっっごく見ます!」
「練習の期間だとかはものっっすごく見ます。ジャンプの感覚とか」
「自分、ダンス習ってるわけじゃないので、腕の使い方とか間の取り方とか」
「振付けのジェフの演奏を見て覚えるのもあるんですけれど、他の選手のスケーティングだとか、膝の使い方、音の取り方、そういうものは参考によくしてます」

KENJI 5-1

他の選手のいいところを、臆せずにどんどん吸収していくのですよね。
他の選手の演技を謙虚な目で見つめるという事は、自分の足りない所に気づかされる、苦しい作業でもあると思います。
そこから決して逃げずに学び取っていくところが、彼の柔軟な心の強さなのだと思います。

理想のスケートは
「フィギュアってアスリートっぽいジャンプやスピンていう動きもあれば、逆になんか、スケーティングとか表現とかステップとか、そういうとこってすごく、バレエというか、アーティスティックな部分もあるじゃないですか」
「そこを全部を別にアーティストにするわけではないけれども、全部をフィギュアスケートのプログラムとして完成させたいんですよね」

KENJI 4

「いつもこれ先生たぶん、振り付けする時によく、僕言っているんでわかると思うんですけど、スピンだとかそういうものを全部表現したいんです。ちゃんと音に合わせたいんです。そうしないと気持ち悪くて、できなくて」
「そのジャンプの時もそのジャンプするまでのタイミングとか、そういうものは全部その曲で、またはそのプログラムの内容の中で、絶対にそのスケーティングから、または表現から切り離されないようにっていうのは、非常に意識してやっています」

音楽を奏でているような演技、ジャンプやスピンも音楽と一体となって、その高鳴りを響かせるような演技。
優れた音楽感覚の上に、高度で確かな技術があってこそできる事だと思います。
それを、「そうしないと気持ち悪い」と言ってしまうのは、天才ならではの感覚でしょうか。
ジャンプやスピンがアスリートっぽくて、スケーティングやステップがアーティストっぽい動きだ、というのは、とても面白いなと思いました。





*続きます

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上海の彼

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「笑ってる羽生君、練習中の羽生君です。
上海ワールドの時のです。
いい表情してます、この大会は。」
pupuさまが、世界選手権の時の羽生選手を描いてくださいました。

あの時、三か月ぶりの彼は、どこか別な世界から帰ってきた人のように思えました。
転んでも転んでも笑っていました。
自分が倒れた場所の氷を、そっと触っていました。


昨夜はスーパームーンでしたので、夜空を眺めていました。
ちぎったような雲が流れ、その向こうに、くっきりと冴えた月が光を放ってありました。
「SEIMEI」を舞う彼の背景に置きたいような月が、音もなく移って行きました。
その衣装の金色の輝きと、舞い散る氷のかけらとが見えるようでした。

次の世界選手権でも、幸せな彼に出会えますように。







pupuさま、本当にありがとうございました。

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「FIGURE SKATING BEST SCENE」氷上に描く銀河



予約していた「フィギュアスケート・ベストシーン」が届きました。

ページを開いて、リンクの上、銀河のようなライトの中に横たわる町田樹さんの写真に息をのみました。
凍えたリンクは宇宙のよう、描かれたトレースは惑星の軌道、削られ舞い散る氷は星くずのよう。
その楕円形の非日常に閉じ込められた町田さんは、そのまま永遠に横たわり眠り続けるかのようです。


取り上げられたのは、羽生結弦、小塚崇彦、無良崇人、宇野昌磨、山本草太の各選手。
羽生選手のインタビューだけがないのは残念ですが、二人の写真家の対談、そして本田武史さんのお話は読み応えがありました。
特に本田さんが、ルール改正についての具体的な提言をしていらっしゃる事には感銘を受けました。
今のような注目はまだない頃、ヤグディンやプルシェンコに挑んでこられた本田さんが、未来の男子フィギュアに何を期待されているのかがよくわかる気がします。

羽生選手の写真については、言われてみれば、彼が演技していてきれいなのは当たり前なのです。
写真家はプロフェッショナルとして、それ以上の何かを手の中に収めて、自分の表現として世に現したいのですね。

特に、羽生選手と彼のエッジが同じ画面に入ることの意味を考えてしまいました。
刃物のように研ぎ澄まされたエッジは、スケーターにとっては唯一の武装です。
優美な衣装にほっそりした身体を包んだ羽生選手と、その脚元のブレードの、銀色に鋭く光る冷徹さとの対比。
それがアスリートの厳しさ、一瞬の勝負にかける気魄を象徴しているのだと思いました。


羽生選手の美しい写真を期待していましたが、それ以上の一冊でした。

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山本草太選手・JGPで優勝

山本草太選手がコペルニクススターズ杯2015で優勝したのですね。
ジュニアファイナル出場も決まって、おめでとうございます!





フリーでは4Tも3Tも決まって、本当に素晴らしい演技ですね!
前回の試合ではとても悔しそうでしたけれど。
ほんの半年、ほんの一か月で、こんなにも伸びるとは、どれだけ努力したのだろうと思います。
スケーティングもきれいで身体のコントロールも安定し、洗練された演技になっていると思います。

ショートとフリー、別々の方向から山本選手の魅力を引き出している宮本先生の振り付けも素敵です。
宮本先生のアーティスティックな振り付けが、山本選手にこんなに合うなんて。
特にチャイコフスキーのピアノコンチェルトは、壮大な音楽をよく表現し踊りこなして素晴らしいと思います。

ただ、残念なことがあります。
FSで、ジャンプを跳ぶたびに悲鳴のような大声をあげる観客がいます。
何かが怖くて叫んでいるような。
この演技と音楽の華やかさ、美しさを壊しています。

羽生選手と一緒に平昌オリンピックに行きたいという山本選手。
きっとその夢をかなえてくれると思います。
まずはファイナル優勝を目指して頑張ってくださいね!

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