「KENJIの部屋」第5回 2014年世界選手権

羽生結弦選手エピソード5(前編)
オリンピックの金メダリストとして出場した、2014年・世界選手権での心境について。
「変わりましたね…。もう、意識しないようにしてたんですけど、ものすごく意識していました、あの頃は。もう、オリンピックで金メダル取ったし、ここから負けちゃいけないだろうみたいな気持ちもあって。で日本開催ですし、絶対僕がとらなきゃという気持ちはものすごくありました」

2014年世界選手権SP 1

「逆に集中してなかったと思いますね。その、意識するがあまり。だから、そのシーズンでショート、ミスをしたのはたぶん2試合くらいしかないんじゃないかな。3試合かな。フィンランディアと、最初のスケートカナダとその世界選手権だけなんです」

2014年世界選手権SP 2

「5試合連続で僕ノーミスしてるんです、ショート。なんですけど、その試合のショートプログラムの前はめちゃくちゃ緊張しました。初めてそのオリンピック金メダリストとして出る試合だから。」

2014年世界選手権SP 6

「別に、オリンピック金メダルを取ったから、羽生結弦が変わるかと言われたらそんなことないのに、なんか変わらなきゃいけないみたいな事をすごく考えていたんですね。」

2014年世界選手権SP 9

「勝たなきゃいけない。勝ちたいじゃなくて勝たなきゃいけないっていう気持ちだったんですよね。あれはめちゃくちゃ緊張しました。」




あの頃の自分を静かに省みる羽生選手の表情がなんとも切なく、胸に迫ってきました。
オリンピックの前、ジョニー・ウィアーさんが「19歳でチャンピオンになるのは早すぎると思うから」と、少し悲しげに微笑んでいたのを思い出します。
ジョニーさんには、周囲の状況が激変するだろう事と、それに反応してしまう羽生選手の心の動きが読み取れていたのかもしれません。
疲れた身体と逸る心と、すぐそこまで迫ってくる町田さんと、そうして自分で自分を追い立てていたのでしょうか。

あの時確かに同じリンクに立っていた町田さんは、あれからどうしたのだろう、これからどうするのだろうと思います。
ご自分の道を求めて、どこか深い場所へと沈潜していくのでしょうか。
「継ぐ者」とは、何を受け継ぎ誰に伝えようとしているのか、その目的は達せられたのでしょうか。
表現者としての町田さんの未来が、彼の望むように、美しく描かれていきますように。





画像は動画よりお借りしました。ありがとうございます。
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「FIGURE SKATING BEST SCENE」氷上に描く銀河



予約していた「フィギュアスケート・ベストシーン」が届きました。

ページを開いて、リンクの上、銀河のようなライトの中に横たわる町田樹さんの写真に息をのみました。
凍えたリンクは宇宙のよう、描かれたトレースは惑星の軌道、削られ舞い散る氷は星くずのよう。
その楕円形の非日常に閉じ込められた町田さんは、そのまま永遠に横たわり眠り続けるかのようです。


取り上げられたのは、羽生結弦、小塚崇彦、無良崇人、宇野昌磨、山本草太の各選手。
羽生選手のインタビューだけがないのは残念ですが、二人の写真家の対談、そして本田武史さんのお話は読み応えがありました。
特に本田さんが、ルール改正についての具体的な提言をしていらっしゃる事には感銘を受けました。
今のような注目はまだない頃、ヤグディンやプルシェンコに挑んでこられた本田さんが、未来の男子フィギュアに何を期待されているのかがよくわかる気がします。

羽生選手の写真については、言われてみれば、彼が演技していてきれいなのは当たり前なのです。
写真家はプロフェッショナルとして、それ以上の何かを手の中に収めて、自分の表現として世に現したいのですね。

特に、羽生選手と彼のエッジが同じ画面に入ることの意味を考えてしまいました。
刃物のように研ぎ澄まされたエッジは、スケーターにとっては唯一の武装です。
優美な衣装にほっそりした身体を包んだ羽生選手と、その脚元のブレードの、銀色に鋭く光る冷徹さとの対比。
それがアスリートの厳しさ、一瞬の勝負にかける気魄を象徴しているのだと思いました。


羽生選手の美しい写真を期待していましたが、それ以上の一冊でした。

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「KENJIの部屋」第1回 ソチ・オリンピック

羽生結弦選手エピソード1(後編)

ソチ・オリンピックのお話が続く、「KENJIの部屋」エピソード1。
いつもと変わらない、ほどよい緊張感でオリンピックに臨んだ羽生選手。
会場の雰囲気、観客の反応を素直に感じ取り、個人戦で受けた大絶賛に何より感動した。
いつも、観客との結びつきを大切にする羽生選手らしいな、と思います。

ソチ 個人

表彰式ではこう言おうと子供の頃からシミュレーションしている、そんな様子も目に浮かぶようです。
お世話になった先生方の名前を全部あげて感謝しようとは、アカデミー賞の授賞式みたい。
そんな事を一生懸命考えてチャンスを待っていた羽生選手が、なんともいじらしく思えます。
でも結局、「悔しいです」しか言えず、町田さんのような名言を残すこともできなかった。

ここで、「ティムシェル」「汽水域」といった、町田さん語録について、とてもやわらかい目線で話しているのが印象的でした。
「それが彼なりの集中のしかただったのかな」と、羽生選手も言葉にこだわるほうなので、共感できたのかもしれません。

さて、ここから先が、今回の対談で一番大切な、オリンピック金メダル獲得後の心境をめぐって、です。

いつも自分に課題を発見し、それを克服していくことにモチベーションを見出す羽生選手。
あの時のフリーがパーフェクトではなかったからこそ、また次へと挑戦していく気持ちを強く持つことができた、と言います。

本当は、4年に一度のチャンスしかないオリンピックで、会心の演技をしてほしかった、と思うのです。
でも、もしもそうだったら、19歳のあの日の彼が選手生活のピークとなり、そのまま終わっていたのかもしれません。
悔しさの苦味をかみしめる事で、彼は未来をつなぎとめたのかもしれません。

過去の栄光に引きずられる、それに罪悪感を持つ、勝てば勝つほど追われる立場に自分を追い込む。
オリンピックの金メダルというのは、アスリートにとっての最高の、至上の目標だから。
それは、自分がどれほどの事をなし遂げたのか、手に入れてみないと本当にはわからないくらいの、目のくらむような高みなのでしょう。

集中しすぎて視野が狭くなることもある、という宮本先生の言葉は、何でも背負ってしまい自分を追い詰めがちな羽生選手をよく知っているからこその、愛情のこもったアドバイスなのだろう、と思いました。

賢二の部屋

心の声に耳を傾ける二人。とても素敵です。





画像をお借りしています。ありがとうございます。

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町田樹さんのシューベルト

プリンスアイスワールド2015・横浜公演で披露された町田樹さんのシューベルト「Impromptu」。
「継ぐ者」というコンセプトで、ベートーベンからシューベルトへと受け継がれた音楽の系譜をイメージした作品のようです。


piw2015 Tatsuki MACHIDA 投稿者 hana02014

人から人へ、時を旅するように受け渡し受け継いでいくもの。
それは、フィギュアスケートの未来を託したことへの意志の表示なのでしょうか。
あるいは、昨年のプログラム「運命」から連なる、町田さんご自身の歩みでもあるのでしょうか。

原曲をアレンジすることなくそのままに受け入れ生かしたプログラム。
6種類全てのジャンプを織り込みながら、ピアノの音を丁寧に拾い上げたステップを踏んでいきます。
それは選手であったとき、ルールに従うことを求められる試合では実現できなかったプログラム。
町田さん独自の、自由な世界を感じました。


町田さんの引退について羽生選手は、「非常に寂しいというか、悲しいというか」と言っていました。
でも「アスリートを引退します」という町田選手の発言に、ある程度予感をしていたようですね。
そして町田さんの前途を応援し祝福していました。

羽生 町田

羽生選手も、町田さんのアーティスティックな面から学び受け継いだものがあると思います。
アスリートな羽生選手、アーティストな町田さん。
それぞれの魅力があり、高めあってきたことを讃えたいと思いました。



動画を感謝してお借りしました

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ファイルとチケットとPIWのざわめく週末

新しいサイン入りクリアファイルの情報が乱れ飛び、心ざわめく今日この頃です。
でもデイリーヤマザキなど近くにないのでとても入手できそうにありません。
キシリトールなのに赤いガーナ衣装の羽生選手。
歯にいいのか悪いのかよくわからない、なんだか謎のファイル?


ファンタジーオンアイス・神戸公演チケットの一般発売には完敗しました。
朝からPCの前にスタンバイしていましたが、どのチケットサイトもあっという間につながらなくなり、つながったころには完売でした。
西日本では神戸だけなので無理もないですね。

抽選にははずれ一般発売には乗れず。
しかし、私にはまだ希望があります。
真夜中、隠密作戦のようにひっそりと売っているのをみつけ、さんざん迷った末に買った一枚を持っています。
ひとりで行って一人で帰ってくる、私にとってはサバイバルな挑戦です。
でも奇跡のようにこれを買えたのは、どうしても行って来いという天啓に違いありません。
戻りチケットなど狙ってそれでもだめなら最後の切り札として切るつもりです。


プリンスアイスワールド2015 横浜公演が17日14時からBSジャパンで放映されます。
これは録画してしっかりと見届けたいと思います。
町田樹さんがご自分で振付けられたシューベルトの即興曲を初めて演じられるのですよね。



調べた限りではこちらの「即興曲 90-3」ではないかと思います。
なんとデリケートな美しい曲なのでしょう。
町田さんが試合を離れてでも表現したかった何かが想像できるような気がします。



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yuzurufight

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