もちろんダブルトウループ

国別対抗戦の「オペラ座の怪人」で、4Tが惜しくも3Tになってしまった羽生選手。
織田信成さんの、その後の3Aのコンビネーションの解説がとても素敵だったのです。

「トリプルアクセル、両手を挙げて、もちろんダブルトウループです」

ここで「もちろん」と言ってくれたのがまずうれしい。
羽生選手に心を合わせているからこそ、わざわざ言ってくれたのだと思います。

そしてその言い方が、演技と音楽とのリズムにちゃんと乗っていること。
高揚していくこのシーンに、織田さんも音楽を感じ、一緒に跳んでいたのかもしれません。

あいだに「もちろん」という一言を挟み込んだために、とても早口になっています。
その結果、着地直後に "life" を強調する動きに入っている演技を邪魔していません。

応援する気持ち、あたたかい配慮がにじみ出てくるような、素敵な解説。
しかも歯切れよくきっぱりとしていて、明快です。
ご自分の現役時代を思うと悔しい気持ちもあるのでしょうが、それすらも、羽生選手への賛辞に転換してしまう人間力を感じます。

ミスをすると襲いかかって来る、まるでのろいの呪文のようなこのルール。
何度読んでも混乱してしまう、複雑怪奇なパズル。
キス&クライでそのために泣く選手を見るのはつらいので、本来の意味に立ちかえって、もう少し何とかならないのかなと思います。

ザヤックルールについては私にはとても説明できないので、いつもお世話になっている MAYさんのブログ でよろしくお願いします。
とにかくもうずっとこのルールに引っかかっていないという羽生選手の聡明さ、対応能力にはひれ伏すばかりです。


さて、国別対抗戦EXでの日本チームの群舞・吉田兄弟の「Storm」と言えば織田信成さんの名演技ですね。



この時のコーチ、リー・バーケルさんはジェフリー・バトルさんのコーチでもあったかた。
現在はクリケットクラブに参加されているようですね。
羽生選手ともご縁があるかも、しれません。


羽生選手は今ごろ、曲が決まったりしているのでしょうか?
なつかしいなあと思えるのは、彼がカナダにいる事で、ゆったりと安心していられるからかも。
いやいや、ご本人はもう戦闘態勢に入って、新しいシーズンに向ってロックオン、なのでしょうね。



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羽生結弦選手の雄弁と聡明 松岡さんと織田さんと

羽生選手のファイナルが終わってエキシビションの始まる前、松岡修造さんと織田信成さんが羽生選手にインタビューしているのを見て、羽生選手の言語能力に脱帽しました。
そして謙虚な言葉で抑えても、自意識の強いところがちらちら見え隠れする羽生選手、それもまた彼の魅力なのです!


20141214エキシ前 修造、織田×羽生インタ 投稿者 yuzupinoko

羽生選手は松岡さんにメダルを掛け、「インタビューとかで学ぶことが多かったので」と感謝した。
羽生選手はいつも弁舌さわやというのか饒舌というのか、試合のすぐ後の取材でも、息切れし大汗をかきながらもとにかくよくしゃべる。
全力をつくした試合の後でも、頭をフル回転させて言葉を選びながら出してくる、その姿は彼の聡明さの証明だ。
苦しんだNHK杯の時には、インタビューに答えながら自分の思考を整理し気持ちを立て直す、という超絶技までやってのけた。
ファイナル直後のキスクラでは、通訳なしの英語インタビューにも果敢に答えていた。

思考や感情を言語化するというと、氷上の哲学者・町田樹選手をまず思い出すのだけれど、町田選手が難解な二字熟語四字熟語を駆使するのに対して、羽生選手はごく普通の口語でちゃんと勝負してくるのが素晴らしいと思う。
(大きな声では言えないけれど、リンク外の舌戦も実はひそかな楽しみだったりするので、町田選手の全日本での復活を期待しています)

松岡さんは、中国杯のアクシデントの時リンクサイドにいて、「羽生さんは出場するべきではない」と明言していた。
その事は羽生選手も、おそらく後で知っただろうと思う。
何しろ、日本に帰ってきたら賛否両論の渦が巻き、コーチやスタッフまで批判される騒ぎとなっていたのだから。
しかし、その発言は、元アスリートとして、今もテニス選手を育てている教育者としての松岡さんだからこそ、羽生選手の身と将来を案じるからこそであったことを、彼はすぐに理解したのだと思う。
松岡さんと羽生選手との間に、あたたかな尊敬と共感があり、羽生選手が心を開いていることが、今回のインタビューにもよく表れていた。

一方の織田信成さんは、引退してからそのタレント力を発揮しているし、競技の解説でも選手を褒めてくれて好感度が高い。
しかしこのインタビューでは、「すごすぎてちょっと言葉にならないですね」と逃げたところを「いや、でも、しなきゃだめなんですよ仕事」と羽生選手に突っ込まれてしまっている。
どうやら、ファイナルのメダルを松岡さんの首にかける、というところから、選手としての織田さんが蘇ってきて、動揺してしまったのではないかなと思った。
そこがまた、ドSと言われる羽生選手、ドMと言われる織田さんの面目躍如なところなのだが。
どんな状態にあっても言葉にしてすべてを伝えなくてはならない、それが貴方の仕事なんですよと羽生選手に教えられてしまうとは、織田さんらしい不覚ではある。

織田さんと言えば、よくザヤックルールに引っかかって真っ青になっていたのを思い出す。
今の羽生選手にはそんな危うさはなく、頭の中で演技を組み立て計算する能力も非常に高い。
全力で演技しながらも、瞬間瞬間に自分の演技を記憶し分析し判断していく能力。
いつもの試合でもそうであるのに、中国杯では怪我をした姿で計算を始め、わずかの間に構成を変えて演技して見せた。
聡明な人でなくて、そんなことができるわけがない。


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